総合診療科・総合内科の情報室
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コラム
ヒートショックについて知っていますか? 総合診療科部長・和泉 泰衛
1・入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
2・湯音は41度以下、湯に浸かる時間は10分以内。
3・浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
4・アルコールが抜ける前、食後すぐの入浴は控えましょう。
5・入浴する前に同居者に一声掛けて見回ってもらいましょう。 ヒートショックを起こさないよう、気を付けましょう。
出典:2018年9月 大村市在宅ケアセミナーより
男性医師の育休日記 総合診療科医師・森 隆浩
<育休を取得した経緯>
安定期に入った頃、 夫婦で3人目が生まれたときの問題点を話し合ったことがきっかけです。 3人目が生まれた時、 双子が3歳でイヤイヤ期真っ盛りでした。妻からその時、肉体的にも精神的にも辛かったのだと聞かされ、取得を決意しました。
<育休期間中の生活>
妻に代わって家事など多くのことを私が背負ってみましたが、うまくいかず初期研修医時代のローテーション1か月を思いだしました・・・。 掃除や洗濯はどんなに綺麗にしてもすぐに汚されるのでリセット作業。食事もせっかく作っても食べムラがあったり。家族以外と会話がないので社会的に疎外されているように感じたり。これをずっと続けている妻は神として崇めなければならない存在であると気づきました。
<育休を取得してみて思ったこと>
・育児を共有することで夫婦の絆、父と子の絆が深まること。
・新生児が進化する過程を実感する、唯一無二の喜びの体験ができるできこと。
・必要だけど知らない分野に触れることができ、 人として成長できること。
育休を支えてくれたすべての人たちに感謝申し上げます。
出典:2022年8・9月 第405号 SENSAIより
家庭医療について 総合診療科医長・森 英毅
ひとことで専門性を述べることがやや難しい領域な のですが、コモンな問題を多角的に診る専門家となります。 「コモンな問題」とは疫学的に頻度の高い疾患はも ちろんですが、年齢・性を問わず、予防から終末期ま での様々なコモンプロブレムを包括的に扱います。「多 角的に診る」とは、疾患にとどまらず、解釈・構造的ア プローチ、診療セッティングにもよりますが、家族や地 域を診るというアプローチをとる場合もあります。領域 別専門医の先生方は主に個人を対象とするのに対し て、家庭医は家族、地域・社会構造に視点を向け、科学する点に特徴があります。
<総合内科医・家庭の育成>
地域に根ざしたジェネラリストの育成は当科の重要なミッションのひとつであり、総合内科プログラムとと もに家庭医を育てる後期研修プログラムを立ち上げています。質の高いプライマリケアの提供は、低コスト に健康関連アウトカムを改善するというエビデンスが近年集積されてきています。本地域でも総合内科医・家庭医のニーズは今後ますます高まると信じて教育を行っています。みなさまどうぞよろしくお願いします。
出典:2022年8・9月 第405号 SENSAIより
広報誌などの掲載履歴
■総合診療の魅力(NHO NEW WAVE Vol35掲載)
■ヒートショックについて:in 大村市在宅ケアセミナー(専齋SENSAI2017年10月号掲載)
■沖縄での離島医療の経験(専齋SENSAI2016年8・9月号掲載)
■総合診療科とポリファーマシー(polypharmacy;多剤服用)(専齋SENSAI2016年7月号掲載)
■ヒートショックについて:in 大村市在宅ケアセミナー(専齋SENSAI2017年10月号掲載)
■沖縄での離島医療の経験(専齋SENSAI2016年8・9月号掲載)
■総合診療科とポリファーマシー(polypharmacy;多剤服用)(専齋SENSAI2016年7月号掲載)
高齢者が入浴中に急死する「入浴関連死」が全国で年間約17,000人に上っているのはご存知ですか? (2015年2月:東京都健康長寿医療センター研究所報告) 多くは入浴中の意識障害での溺死、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系の疾患での急死と言われています。冬場に多いことから、温度差による血圧変動が原因とされています。高齢者では若年者に比べて、血管の柔軟性が落ちているため、血圧変動をきたしやすく、持病がなくともヒートショックが起こるともいわれています。 2016年 1月に厚生労働省がまとめた報告によると、2014年度の浴槽での溺死者数推計は10年前と比較して約1.7倍に増えており、救急車で運ばれた患者数から推計した「入浴関連死」の数は19,000人とさらに増え、その数は年間の交通事故死亡者数4,113人を大きく上回っており、早急に対応する必要があると考えられます。気温と「入浴関連死」の数が相関していることや、ほとんどが浴槽内で起きていることから、「夏は涼しい家で、冬は寒さに耐える日本の伝統」のため、日本では家屋全体の断熱が進まず、こたつ文化がその特徴として残っています。浴室暖房の設置割合も欧米では90%を超える国が多いのに対して、日本ではわずか5%との報告もあります。消費者庁からも以下のように注意喚起が出されています。