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対象疾患・診療内容について

消化管の高度先端医療

(1) 早期消化器癌の血管・腺管開口部 拡大観察による質的診断、範囲診断
(2) 内視鏡治療(ESD)による胃ポリープ・早期胃癌の内視鏡治療
(3) 内視鏡治療(ESD)による大腸ポリープ・早期大腸癌の内視鏡治療
(4) 潰瘍性大腸炎・クローン病に対する:白血球除去療法(L-CAP)
(5) 進行消化器がんに対する高度治療
 1)食道癌の化学放射線療法
 2)胃癌の化学療法
 3)膵癌の化学療法
(6) イレウスに対しての経鼻内視鏡下イレウスチューブ挿入

 
早期消化管癌の診断・治療

(1) 早期消化管癌の診断
 精密診断を術前にすることで治療効果の高い内視鏡的治療を目指しています。
 ・早期大腸癌: 腺管開口部パターンによる質的診断・深達度診断
 ・早期食道癌: 血管(上皮乳頭内血管)パターンによる質的診断・深達度診断
 ・早期胃癌 : 腺管開口部パターンによる質的診断(分化度推測)・範囲診断 
 血管診断にはNBI(狭帯域光観察)による拡大観察を行っています。


(2) 内視鏡的粘膜下層剥離術
 粘膜内に留まる早期癌に対し、広範囲でも一括で切除が可能です。利点は術後の治療効果判定の制度が高まりますが、欠点としては難易度が高く特に食道、大腸に関しては施行施設は多くありません。

 
炎症性腸疾患患者の診断と治療
副作用が少なく治療効果の高い治療を目指している。
 
疾患別の治療
潰瘍性大腸炎

軽症、中等症の方には、経口ステロイド、サラゾピリン製剤による薬物療法を行っています。またサラゾピリン注腸剤、免疫抑制剤を併用することでステロイド離脱に努めています。
重症例や薬物治療抵抗性の方には、白血球除去療法(LCAP)を薬物療法に併用することで、短期の病態の改善を目指しています。結果的に薬剤による副作用の軽減がなされます。

※白血球除去療法(LCAP)

白血球を除去するフィルターを用いて、血液中から腸の炎症を引き起こすと考えられている活性化した白血球を取り除く方法です。当院では重症例や薬物治療抵抗性の潰瘍性大腸炎の方に薬物療法と併用して1回/週の5回を1クールとして施行しています。
また、近年保険認可された抗TNFα抗体療法タクロリムス等新しい治療法も積極的に試みています。

クローン病

栄養療法に薬物療法(サラゾピリン製剤、ステロイド)を併用することで病態の改善に努めています。難治例に対しては、抗TNFα抗体療法を併用しています。
※抗TNFα抗体療法
クローン病では、何らかの原因で様々なサイトカインが過剰に産性され炎症を起こすと考えられており、その代表格であるTNFαというサイトカインを押さえ込む治療法です。これまで当院ではステロイド、免疫抑制剤抵抗例の方に使用していましたが(ステップ・アップ療法)、初期から使用するトップ・ダウン治療も試みています。

 
消化器癌の化学療法
進行消化器癌に対する化学療法、放射線化学療法を外来、入院で行っています。
 
食道癌

フルオロウラシル/シスプラチンなどを用い、放射線科と連携した放射線化学療法

胃癌

テガフール、シスプラチン、パクリタキセル、カペシタビン及び分子標的薬トラスツズマブの併用化学療法

大腸癌

FOLFOX、FOLFIRI、XELOXを用いた化学療法、及び分子標的治療薬ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、レゴラフェニブ の併用化学療法。

 
小児の内視鏡治療
小児科・小児外科と連携し、小児消化器分野の診療に取り組んでいます。