肺がんこのページを印刷する - 肺がん

肺癌の外科的治療に関するセカンドオピニオン外来 : 要予約

セカンドオピニオン外来

地域医療連携室

 
 

診療内容

■治療
治療方法は呼吸器科カンファランスで検討されます。 
病期(進行度により0?IV期に分けられる)、組織型(小細胞癌か非小細胞癌かなど)、全身状態(年齢、PS、諸臓器機能)によって治療法を決めていきます。 
 非小細胞癌(腺癌・大細胞癌・扁平上皮癌)では、I期、II期と一部のIIIA期は通常は手術が行われます。術後の病期により手術後に化学療法を追加する場合があります。 
IIIB期及び切除不能なIIIA期では化学療法と放射線との併用療法が中心に行われます。
IIIB期の一部(悪性胸水)及びIV期では化学療法あるいは支持療法が行われます。 
 小細胞癌では、Limited disease(LD, 限局型)は化学療法放射線治療の併用療法が、Extensive disease(ED, 進展型)では化学療法が行われます。
 また化学療法による効果が見られた場合は脳への再発を減らすために予防的全脳照射が行われます。 
 先述の検査を行った後に、患者さんやその家族に対して病名・組織型・病態・進展度などの病状及び治療法(副作用や合併症を含めて)について詳細に説明を行い、十分な理解を得た上で治療にかかるインフォームド・コンセント(説明と同意)を重視した診療を行っています。
 

 新規の抗癌剤や放射線療法との組み合わせなどにより治療成績の向上を目指しています。
 その中で、種々の臨床試験にも積極的に取り組み、多施設共同研究(Nagasaki Thoracic Oncology Group (NTOG)など)、新薬の治験や市販後臨床試験などにも参加しています。
 なお、新しい治療は世界に対して情報発信できるように努めています。
 また癌による気道狭窄に対しては、レーザー焼灼高周波処置やステント留置による気道開大
などを行っています。
 また、上記の標準的治療のみならず全身状態(Performance status; PS)が悪かったり、高齢であったりと患者さんの状態に応じた治療も行なっています。

 癌性疼痛に対しては、モルヒネを積極的に用い、末期癌患者に対しては、在宅酸素療法や病診連携などで在宅療法を検討するなどQOLを考慮した緩和医療にも努めています。

 
 
(1)肺がん
日本人死因の第一位は“がん”です。“がん”の中で何が一番多いかといえばそれは肺がんです。肺がんは、(1)抗がん剤、(2)手術による切除、(3)放射線で治療され、呼吸器外科は手術を担当します。肺がんは2011年の全国集計では33,878例が切除され、年々増加傾向にあります。肺がん手術の進歩、それは“胸腔鏡下手術”の導入です。一言でいえば、“通常開胸手術”より傷が小さい手術ということになります。傷が小さければ、痛くない、治りが早い、短期間で退院でき早期に社会復帰できます。つまりは患者さんにやさしい手術です。長崎医療センターでは、70-80%を胸腔鏡下に切除しています(全国平均は62.9%)。
 
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(2)転移性肺腫瘍
すべての“がん”は血液の流れに入って肺に生着する可能性があります。これが“転移性肺腫瘍”です。転移した腫瘍は切除できれば予後を改善するので、転移数が少なければ切除します。可能な症例はもちろん胸腔鏡下手術で切除します。
 
(3) 良性肺腫瘍
肺に良性腫瘍ができることもあります。良性なので切除すれば再発することはなく問題ありません。小さければ胸腔鏡下手術で切除できます。
 
(4) 縦隔腫瘍
左右の肺と肺の間の部分を“縦隔”と呼び、ここには気管・気管支、心臓、大動脈、食道が存在します。これらの臓器の周囲に発生した腫瘍が“縦隔腫瘍”です。呼吸器外科手術の6.4%にすぎないまれな疾患です。縦隔腫瘍のなかでは胸腺腫瘍が最多で約半数をしめます。“胸腺”とは胸骨の真裏にある組織で、生まれてしばらくは免疫担当臓器ですが、成人では機能を失い小さな脂肪の塊になります。胸腺腫瘍を含む縦隔腫瘍は周囲に重要臓器があるため切除が難しく以前は胸骨を縦に切断して切除していました。現在は胸腔鏡下手術で左右の肋骨の間から切除することが多くなっています。

診療実績

■外科的 治療・診療実績 (平成 27 年 1 月~12 月)
-入院主要疾患- -手術数- -腹腔鏡下手術-
肺がん 84症例 73症例
転移性肺腫瘍 15症例 14症例
肺良性腫瘍 4症例 4症例
縦隔腫瘍 4症例 3症例

 

■内科的 治療・診療実績 (平成 27 年 1 月~12 月)
-入院主要疾患- -症例数-
肺がん 540症例

施設認定