頭頸部がんこのページを印刷する - 頭頸部がん

診療方針

頭頸部がんとは、頭部・顔面・頸部に発生する悪性腫瘍(がん)のひとまとめにした呼び方です。細かく分けると、聴器がん(耳のがん)、鼻・副鼻腔がん、口腔がん、上咽頭癌、中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がん、唾液腺がん、甲状腺がん、頸部がん等になります。

 耳鼻咽喉科の領域は、食事をしたり、呼吸をしたり、会話をしたりするのに重要な機能が集まった部分です。治療においても、がん病変の根治と機能の温存の両立を目指す必要があります。つまり、“生活の質(Quality of Life;QOL)”を保つことが重要となります。

 頭頸部がんの治療には手術、放射線、化学療法(抗がん剤)が用いられます。発生部位によって最適な治療法の組み合わせを行うようにしています。

診療内容

■手術療法

癌治療の基本的治療法です。早期の癌のほとんどが治療の対象となります。手術による大きな機能障害が予測されない場合は手術のよい適応です。

機能障害が強くなると予測される場合は、失われた形態を再建する手術を行います。たとえば舌の半分以上を切除する場合はお腹や、足の筋肉と皮膚を口の中に移植して、残された機能を補うようにします。

 

■放射線療法

放射線治療は形態を温存しながら癌を治療することができます。

声帯の早期がんでは音声の質を保つために放射線治療が第一選択となります。近年では抗がん剤との併用である程度の進行がんでも機能を温存しつつ根治ができるようになっています。また、頭頸部がんの放射線治療の大きな副作用に唾液腺障害による口腔内乾燥症があります。当院ではIMRTの装置を用いることにより、治療効果は落とさないようにしつつ唾液腺の障害を最小限に抑えながら治療を行っています。(IMRT:強度変調放射線治療)
 

■化学療法

抗がん剤による治療を化学療法と言います。抗がん剤を使いながら同時に放射線照射を行う治療法を化学放射線療法といいます。治療感受性の高い組織型のがんでは良好な結果を得られることも多くなってきました。重要臓器を巻き込み手術ができないがんでも良好な結果を得られることもあります。

 

■動注化学放射線療法

上顎がん、舌根がんに対して血管造影の技術を応用した方法での治療を行っています。がんに向かって流れている血管に抗がん剤を注入し、周囲への副作用をおさえながら治療効果を上げようとするものです。

診療実績

  • 手術症例数

平成 25 年 1 月~12 月)