M2BPGiは、肝発癌リスクを予測する新しいマーカーです。【新情報】
2016年10月31日掲載
自施設のC型慢性肝炎症例を対象として、M2BPGi値によって対象例を3群に分類しました。(図2)M2BPGiの値が1COI未満の群は155例で、その累積肝癌発生率は、5年目0%、10年目1.1%、15年目3.1%と低い値を示しました。M2BPGiの値が1COI以上4COI未満の群は434例で、その累積肝癌発生率は5年目が3.9%、10年目が14.8%、15年目が31.6%でした。M2BPGiの値が4COI以上の群は118例で、その累積肝癌発生率は5年で30.5%、10年で54.1%、15年で77.0%でした。M2BPGi値によって観察開始後の累積肝癌発生率は大きく異なっていました(P<0.001)。
C型慢性肝疾患患者さんの肝線維化進展度と発がんリスクを非侵襲的に評価する上で、新しい糖鎖バイオマーカーであるM2BPGiの測定は有用です。
文献
1.Kuno A, et al : A serum "sweet-doughnut" protein facilitates fibrosis evaluation and therapy assessment in patients with viral hepatitis., Sci. Rep. 3, 1065-73 (2013)
2.Yamasaki K, et.al :Elevated serum levels of WFA+ -M2BP predict the development of hepatocellular carcinoma in hepatitis C patients Hepatology 60.1563-1570. 2014.